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狭山丘陵寺社めぐり 4 厳島神社 (東大和市蔵敷)

狭山丘陵寺社めぐり 4 厳島神社

 「狭山丘陵寺社めぐり」の第3番「熊野神社」から青梅街道に出て、青梅方面に向って100 m 歩くと「厳島神社」の案内板が立っている。その左手の空き地に、かなり大きな「光明真言一千二百萬遍供養塔」(写真)が立っている。光明真言とは仏教の念仏のことで、これを何度も唱えることでご利益が得られると考えられている。この供養塔は、講中(念仏を唱える人々の集まり)全員の念仏の回数が1200万回になったことを記念して、明治32年に建立された。昔の蔵敷地区にはこのような信仰があったことが偲ばれる。

     厳島供養塔

 青梅街道から小路に入って行くと、真っ白な鳥居(写真)が立っている。その左には存在感のある枯れた古木も立っている。この古木は八幡神社と同様なご神木であったのだろうか? 鳥居は「ここからが神社の神域ですよ」と示す門のこと。鳥居の基本形は、二本の縦柱と横木(下部の横木は貫(ぬき)上部の横木は笠木)から成っている。形式的には、縦柱・横木とも直線的な神明系(伊勢神宮)、笠木の両端が上に反って曲線的な明神系(京都の八坂神社や稲荷社)の二種に大別される。 この厳島神社の鳥居は、直線的なので神明系と分る。これまでに参拝した八幡神社と熊野神社は、笠木の両端が反り上がっているので、明神系ということになろうか。

     厳島鳥居

 鳥居の後ろは丘陵に向って石段があり、石段の上に厳島神社の拝殿が見える(写真)。小さな拝殿の後ろに本殿(写真)が独立して建っている。神社の創建は天正6年(1588年)と伝えられるから、八幡神社創建と同じ戦国時代からの歴史がある。社殿造営は宝永5年(1708年、徳川綱吉の時代)、現在の本殿は天保6年(1835年、ペリー来航の少し前)に造られたといわれ、かなり歴史ある建物。

     厳島石段

     厳島本殿

 当初は熊野神社と同様に、蔵敷一の素封家である内野家の守護神として創建され、弁財天と称されていたが、明治時代になってから厳島神社と社号を改め、村社となった。昔の広い内野家の屋敷内に、熊野神社と厳島神社の両方があったのかも知れない。 弁財天はインドのヒンズー教の河の神ブラフマン(梵天)の妃で、日本に入ってからは水の神、農業神として崇められるようになった。厳島神社のご祭神は、海の神「宗像三女神」と呼ばれる美人の誉れ高い三姉妹で、なかでもとりわけ美人とされる市杵島姫命は、神仏習合によって仏教の弁財天と同神として「弁天様」として広く信仰されている。 従って昔の弁財天が厳島神社に替わっても問題はないわけだ。いずれも水に関わる信仰は、蔵敷地区の農業に欠かせない「ハケ」と呼ばれる狭山丘陵の湧水を大切にした表れと思われる。
 なお「村社」とは「郷社の下、無資格社の上に位する」と書かれている。それでは「郷社」とは「その村で特定の行政機能を持ち、出生や住所の移動の際には、守札の発行が義務付けられた」と書かれている。 従って、村社は郷社に次ぐ村を代表する社であったと推定した。すると今は熊野神社より小さい厳島神社であるが、ある時期には熊野神社より社格が高かったことも推定される。
 厳島神社は「宗像・厳島社系」にあり、ご祭神は多紀理姫命、市杵島姫命、多岐都姫命で、総本社は厳島神社(広島県)と宗像大社(福岡県)で、関東では江島神社(神奈川県)が有名。宗像・厳島系の神社は全国八千五百社を数え、神社ランキングでは第五位である。 私が参拝したのは厳島神社と江島神社で、宗像大社には未だ参拝していない。広島市で学生時代を過ごしたこともあり、厳島神社には10回近くも参拝した。海に浮かぶ朱塗りの神社と大鳥居はとても美しく、我が青春時代の思い出の地であった。昨年の大河ドラマ「平清盛」の舞台となったのと、世界遺産に登録されたのが喜ばしい。

 厳島神社は「狭山丘陵寺社めぐり」に取り上げるのにはやや不足気味の小社(写真)であったが、地元東大和市の神社ということで取り上げた。 冬の雑木林であるため境内から武蔵野が展望でき、富士山も木々の間から望まれる落ち着いた神社。 この蔵敷を「くらしき」ではなく「ぞうしき」と読むのは重箱読みなのだろうか? 「敷」は訓読みでは「しき」だけど、音読みでも「しき」なのだろうか? 我が浅学を悔やみながらも疑問を抱きながら、長い石段を下りて帰途についた。

     厳島全景

追記
 神社創建の歴史と光明真言千二百萬遍供養塔については、インターネットに投稿されていた「蔵敷厳島神社」の記事を借用した。神社は無人のため、連絡先も分らなくて困っていたので、インターネットの記事をそのまま採用させてもらった。簡潔な表現で写真もきれいなこの記事はとても参考になった。記事を作成された方が、もしこのブログを見られたら、連絡をお願いします。
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蔵敷地区

蔵敷地区にも神社が二つもあったとは、次は芋窪?楽しみです。

御嶽神社も御願いします

 蔵敷にはもう一つ御嶽神社があります。是非取り上げて下さい。場所が解りにくいのですが、東大和市立郷土博物館の前を西に向かうと奈良橋川に接して大きくカーブするところがあります。その先を右に入ります。突き当たりを左に曲がると正面に鳥居が見えます。
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