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狭山丘陵寺社めぐり 9 慶性院 (東大和市芋窪)

狭山丘陵寺社めぐり 9 慶性院

 多摩湖の湖底に沈んだ寺社(写真)の最も西側に位置した「慶性院」を訪ねた。 住吉神社の西南300mくらいの、武蔵村山市との境に建っている。

多摩丘陵寺社

 お寺の入口を示す山門は2本の石柱(写真)であり、家屋門ではない。家屋スタイルの慶性院の山門は、西武球場に近い多摩湖を見下ろす丘陵に「慶性門」(写真)として建っている。大正11年、慶性院が石川の谷からこの地に移転した時、この山門が石川の谷に取り残されていた。東京都からの補償金が少なく、当時の檀家は50軒程度で支援も十分に出来ず、山門移転の費用が捻出されなかったとのこと。 昭和29年、貯水池愛護会の有志が、荒れ果てたこの門を、現在の場所に移設したという。 1861年建立のこの門は長屋門と呼ばれ、門の両側の部屋に人が住む造りになっている。

慶性院山門 

慶性院慶性門

 大正11年にこの地に移転した本堂(写真)はとても大きい。それが400年前の慶長年間(関ヶ原の戦の頃)に建立されたと知り驚く。 慶性院は白部山医王寺と号す、真言宗豊山派の寺。狭山丘陵寺社めぐりでは、雲性寺、蓮華寺に続く、3寺目の真言宗豊山派の寺院。これまでの寺社めぐりの経験からすると、ある地域に同宗派の寺院が集中するケースが多い。これはその地域の支配者の信仰する宗派によるものではないだろうか? 慶性院のご本尊は不動明王。蓮華寺や成田山新勝寺と同じご本尊。どうやら不動明王は、真言宗には意味のある御仏であるらしい。 慶性院の開山は慶長六年(1601年)に入寂した承秀上人と伝えられる。寺名の慶性は慶長と同義語の転訛で、慶長年間の創建とする説がある。

慶性院本堂

 境内に赤い柱の小屋があり、内部に二つの石像が鎮座している。左が真言宗祖弘法太子像で、右が阿弥陀如来像。 その後ろには昭和44年に改修され鐘楼(写真)があり、昭和45年に鋳造された重さ525Kgの梵鐘が吊られている。石川の谷から持ってきた梵鐘は、昭和19年に軍用に供出されたとは哀れ。蓮華寺の学童疎開と同様に、慶性院にも太平洋戦争の陰が残っていた。

慶性院鐘楼

 境内の奥に建つのが「薬師堂」(写真) 「新編武蔵風土記稿」に「本尊薬師木の立像長一尺六寸、行基の作を置り」と記載されている。「はやし堂」と同様に、再び行基の作品が出現したのは驚き。あの世で行基も驚いているのでは・・・・ 慶性院はもとはこの薬師如来を本尊としていたが、1765年、真言宗に代わった時に現本尊、不動明王に代わったという。 石川の谷にあった当時は、この薬師堂が慶性院の奥ノ院であった。大正11年にこの地に移設された時に、本来は離れて建つ奥ノ院を、慶性寺の境内に建てざるを得なかったようである。

慶性院薬師

 墓地の入口辺りに、石川の谷から持ってこられたと思われる石造物が沢山並んでいる。三つの石像(写真)の真ん中の像に「石川谷」の彫刻が読み取れる。左は庚申供養塔である。 

慶性院石造

 山門の右手の小屋にも三体の石像(写真)がある。右の石像が「水天像」で、江戸時代末期の作品。「水天」は世界を守護する十二天の一つで、水難除けや雨乞いの祈願の対象となるため、池や川のほとりに建てられることが多く、石川の谷の傍に立っていたのだろう。水天像は日本では数少なく、都内に存在する水天像三基の一つで、とても貴重なものであると説明されている。 

慶性院水天

 山門の右手奥には「白山大権現」の小社(写真)がある。白山大権現とは石川県の白山比咩神社を総本宮とする白山信仰の神社。昔から慶性院の境内に建ち、お寺や墓地を守る神様。慶性院の寺号、白部山は白山を意味することが分った。

慶性院白山

 境内の庭(写真)は手入れが行き届き、とても美しい。寺院の規模も大きく本堂・薬師堂の歴史もあり、東大和市内では最高クラスの名刹と思った。残念なのは慶性門がないこと。慶性門がいつかこの地に再移設されないものか、と思いを馳せながら慶性院を去った。

慶性院庭園
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慶性門

 慶性門の画像、美しく撮って下さって有り難うございます。現在はかっての慶性院があった近く、村山貯水池上堰堤の北側にありますが、ほとんど人が行かず、あまり由緒も知れず、勿体ない限りです。

 現在の慶性院に設置されれば、どんなに良いかと思います。山門の対比にギクリと来ました。  野火止用水

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こんなガイドブックがあれば と、かねがね思っていました。
また、野火止用水さんのコメントも。
神社仏閣、故事来歴、適格に、タイムリーにスラスラ出てくるのは、いつもながら、オドロキです。
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