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狭山丘陵寺社めぐり 106 二つの中氷川神社 (所沢市三ヶ島、山口)

狭山丘陵寺社めぐり 106 二つの中氷川神社  (所沢市三ヶ島、山口)

 所沢市には三ヶ島と山口地区に、各々中氷川神社が存在する。地図(写真)の青〇が三ヶ島中氷川神社(66報)、赤〇が山口中氷川神社(105報)で、2 kmの距離を挟んで、二つの中氷川神社が存在する。そして二つの中氷川神社がいずれも「大宮市の氷川神社と奥多摩町の氷川神社の中間に建つので中氷川神社と称する」「延長五年(927)にまとめられた『延喜式神名帳』に記載された延喜式内社である」と主張している。

中氷川神社地図

 延喜式内「入間五座」の一つである「中氷川神社」が、どちらの中氷川神社であったのかが、未だ解明されていないのが問題なのである。
 二つの中氷川神社をいろいろな見地から比較してみる。 先ず、社殿は三ヶ島(これから中氷川神社を省く)の方が、江戸時代の建立のため古風な造りで、拝殿の朱塗りの壁(写真)が古社らしい雰囲気を醸し出している。但し、本殿(写真)は簡素な造りである。

中氷川拝殿

中氷川本殿

 一方、山口(これから中氷川神社を省く)の拝殿(写真)は昭和七年建立と新しいが、貫禄の備わった大社の趣がある。拝殿の後ろの幣殿と本殿(写真)は(出雲)大社造りで、屋根の上の天に向かう千木と三本の鰹木は、参拝者を喜ばせる造形美である。

中氷川拝殿山口

中氷川本殿山口

 社殿に関しては、古社の概念からすると、三ヶ島を延喜式内社として支持したいと思った。 ところが山口の境内に建つ、昭和七年以前の旧本殿(写真)を見た時に、その野性的な姿に圧倒され、延喜式内社として社殿からの優劣はつけられないと判断した。

中氷川旧本殿山口

 延喜年間から現在に至る、およそ1100年間に、社殿は何度も建替えられたと考えられ、現在の社殿から延喜式内社を予測するのは難しいと思う。

 次に、参道と鳥居を比較してみたい。 三ヶ島の参道は、西に向かって100 mくらいまっすぐに延びて、如何にも古社の参道に相応しい。 ところが二つある鳥居(写真)が、いずれも笠木が水平な神明系の鳥居であるのに驚いた。 中氷川神社の総本社である大宮市の氷川神社の三つの鳥居は、いずれも笠木の両端が上に反る明神系の鳥居である。中氷川神社の主祭神である素戔嗚尊を祀る京都市の八坂神社の鳥居も明神系であるので、三ヶ島に明神系鳥居が存在しないのは理解できない。
中氷川鳥居

 一方、山口の参道は、一の鳥居から北に向い、三の鳥居から左折し西に向かっている。神社の参道はまっすぐに延びるのが通常であり、山口の参道は古社に相応しいとは思えない。 しかし総本社である大宮市の氷川神社の参道は、日本一長い(2 km)直線の参道の最後、左に折れた場所に社殿が建っているので、山口の参道を否定するのは問題かも知れない。 山口の一の鳥居(写真)は、笠木の両端が反り上がった明神系であり、氷川神社の鳥居と同じで納得。ところが二の鳥居と三の鳥居は、笠木の水平な神明系鳥居でありがっかり。 延喜年代以前に明神系鳥居を持つ神社創建後に、神明系鳥居の神社を合祀したので、神明系の鳥居を追加したものと想像される。
中氷川一鳥居山口

 両神社の参道では、三ヶ島が私の好みに合うけれど、鳥居では三ヶ島の神明系鳥居には納得できず、両社の延喜式内社問題は優劣なしと判断した。

 最後に、神社境内の雰囲気を比較したい。 三ヶ島は茶畑の中の森林に囲まれた「暗い」雰囲気というか、神々しい古社の雰囲気を持っている。境内のケヤキのご神木(写真)は枯れてしまっているが、延喜時代から1000年余の樹齢を持っていたかのようである。

中氷川名木

 一方、山口は狭山丘陵の斜面に建ち、広い境内(写真)は陽光を浴びて「明るい」。古社という雰囲気を捨て、「車祓い所」などを設け、現代の大社を目指しているように思われる。

中氷川三鳥居山口

 神社全体の雰囲気からは、延喜式内社として三ヶ島を支持したいように思う。

 この両社の延喜式内社問題は、郷土歴史家の間でも未解決となっている。 ブロ友氏が「最近では、『三ヶ島から山口に発展的に遷った』説が出ています。これからの研究課題です」と述べられているのは、興味深い。 確かに、三ヶ島には「古くて小さい」雰囲気があり、山口には「新しくて大きい」雰囲気がある。 いずれも立派な延喜式内社であることを結論として、延喜式内社問題を終える。 
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ますます関心が高まります

 いよいよ、出雲祝、物部天神社、と三つ目の難関に来ましたね。どきどきして、せっかちになりますが、じっくり説明を読ませて頂いています。

 もうすぐ、回りきる様子、次の企画を楽しみにしています。
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